パンドラの箱
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心配なんだ。 奔放さを身にまとって、好奇心の赴くままにどこかへいってしまう君が。 笑うことはないだろう? 想いが強くなればなるほど、自身を見失って、何もかもが信じられなくなる。 疑心暗鬼に苛まれ、嫉妬心の塊になる。 そんなにおかしいかな?
じゃあ、君は大丈夫なの? 俺がどこかへ行ってしまっても。 疑ったり、嫉妬したり、そのことで狂ったりはしないと言い切ることができるの?
そうだろ? むしろ君のほうが嫉妬深いし、疑い深いし、ネガティブな想いに支配されやすいじゃないか。
「でも」
でも?
「私は知ってるもの」
知ってるって何を?
「あなたはすでに私の一部で、私そのものなのだから、失いようがないってこと」
「そして、それは目に見える形では表せない物だから、目で見ようとすると不安になるのよ。静かに心を落ち着けて、心の目を開けば見えてくるでしょう?何もなくすものはない。何も手にしていないものはない。もう全てはそこにあるって」
「もしもそれでもまだ、不安になるのだとしたら」
だとしたら?
「それは想いが足りないからじゃない?」
ひでえなあ。
「ふふふ。だって、そうでしょ?愛は見返りなんて求めないのよ」
君はいつだってそうやって、笑いながら鋭い言葉を放つんだな。
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