パンドラの箱
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「ずるくないよ。あなたの想うままにすることが一番だよ。オレのことは気にしないでいいから」
あたしの心配を装ったその便りに、欺瞞を感じた。 行間に。 並ぶ言葉に。 それは本心からの想いではないことに気付いてしまった。
「余計な負担をかけちゃったかなって」
「嘘吐き。そんなアナタは嫌い」
「・・・もー。そーだよ。ウソだよ。本当は嫌だったんだ。悔しかったんだ」
相手の気持ちが手にとるようにわかるのは、時として、残酷かもしれない。
「夕べは眠れなかった。きっとあなたの微妙な気持ちが伝わったんだ。だから眠れなかったんだ。今まで全然平気だったんだけどね」
親友は言う。
「アナタは欲張りだからさ、相手をする男は大変だよね(笑)」
確かにね。 欲張りすぎて。 ずるすぎて。 そんな自分を持て余して。 いつか何もかもなくしてしまうのじゃないかって。
でもそれは自業自得だよね。
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