己が振るう武器の、その刃の鋭さを熟知しているから、致命傷にならぬよう、ほんの少し手加減をする。切り付けられ、傷を負ってなお、立ち向かう相手に、手を差し伸べて、救うと見せかけ、傷口をえぐる。殺さぬように、生かさぬように、痛めつけては、弄ぶ。この加虐心をどうしたら止められるのか、わからないまま、日を追うごとにエスカレートする残虐性を、一体どうしたらよいのだろう。