パンドラの箱
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「10好きだった想いはずっと10のまま、それは変わらない」
貴方はそう言った。 想いそのものの形は変化してしまうけれど、その本質は変わらないと。
「好きとか嫌いとかじゃなく、合う合わない、の問題なんですよ」
貴方が最後に吐き出した言葉を思い出す。
今でも思い出してもらえるだろうか。 悲しいまでに真摯に、幼い想いに応えようとしてくれた日のことを。
1時間にも満たない逢瀬で。
「時間。もうおしまい」
自身ではなく、私のことだけを想ってくれたその時を。
「髪は絶対濡らすな」
苦い気持ちではなく。
「早く帰って」
閉じられたドアの向こうで。
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