パンドラの箱
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想いを発する側の、 心に惑いがあるから、 いくら言葉を連ねても、 いくら言葉を重ねても、 その真摯な想いはひとかけらも伝わってこないのだ。
想いを乗せる言葉を紡ぎ出すために、 想いを如何に熟成しようとも、 熟成したとたんにそれはきっと本来の想いとは異なってしまうのだ。
きっと、 望む形が、 差し出される形と異なっているから。
欲しいのは、時を経て円熟度を増したフル・ボディではなく、 より新鮮でフルーティーなライト・ボディであるのに。
差し出されるのはいずれも、濃厚すぎて、渋みが増したフル・ボディなテイストばかりなのだ。 だから悪酔いをして、思わず吐き出してしまうのだ。 もてなされる側としてマナーに反するとしても。
名ソムリエへの道は険しい。
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