風にふわりと 〜こころのすきま〜


no title


酷く自虐的な気分になる時がある。
気分だけでなく、行動に出てしまった時は厄介だ。
誰かにすがりついて泣きたくなり、
そうできない自分とわたし以外誰もいない部屋を、
さらに傷付けたくなる。

自虐的な気分になった理由を考えてみる。
自分の行動の一つ一つを思い起こしてみて、
ある原因に思い当たる。
その原因は見つけてしまうと、
わたしの服の裾を捉えて放さなくなる。
振りほどこうとしても、解放してはくれない。

部屋の隅でうずくまって泣いてみる。
服の裾にしがみついたままの原因が、
恨めしそうにわたしを見上げる。
こぼした涙がその瞳に落ちる。
原因の色が変化する。

夜が明けて朝陽が眩しい。
それは何度目かの変化を終えたところだった。
相変わらずわたしの服の裾を捉えている。
仕方がないからそのまま出掛けることにする。
ただ、色が変わったそれは、原因でなくなっていた。
服の裾は濡れて朝陽によって輝かされた。
どこまでも、それはわたしの御陰ではなかった。



2003年02月20日(木)



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Akira
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