風にふわりと 〜こころのすきま〜
ゆらゆら揺れる波のように、 押し寄せるものは、せつなさ。 次から次へと起こる波の上で、 動かないものは、空を抱いた小さなビン。 波はわたしを運ぼうとしない。 ふわりと落ちる梅の花のように、 地に落ちるのはさみしさ。 次から次へと吹く風に乗らずに、 真下に落ちたものは、飛べないウグイス。 梅の花はわたしを見下ろして、 雨はなお上から降りそそぐ。 せつなさも、さみしさも、 わたしは望んだつもりはないのに、 虚ろな瞳と、留まる想いが、 それらを勝手に引き寄せた。 2003年03月07日(金)
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