やっと手の届くようになった ベランダのさくをのぼって 「さようなら」って 言ったの
おとうとは、はいはいをしながら 「いかないで」って 泣いてた
下には屋根と庭が ゆらり ゆれていた
ちょっと驚かせようと思っただけ
ここから飛んだら 鳥になれるのかな 私、どこへゆくのかな ちょっとお別れを言ってみたかったんだ やさしいけれど いつも私のこと あれこれいう おかあさん べんきょうしなさい!と けわしい顔してる おとうさん やっぱりおしゃべりな おばあちゃん
みんなみんな・・・ どういう気持ちになって どんなこと思うんだろう 私がトンダラ・・・?
わかんない ううんでもそれは想像の世界 私が一人で飛んでゆける世界も あるって思うと ちょっと安心したの
だからもうその遊びはやめた おとうとは 泣き止んで 私たち いつものように あそんだ
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