どうも私のクラスは入賞を狙えるほどの位置にいなかったようで、レースが始まって何人かが走り終えると順位の変動がありそうもない中間あたりの順位になってしまいました。
自分の順番が来るまで私はおそらくいつものように自分の居場所を静かなところにおいて外から周囲の喧騒を眺めていたのでしょう。それでもいまいち盛り上がりに欠ける我がクラスでしたね。
果たして自分の順番が来たとき、前も後ろも差が離れていたのでマイペースで走りやすい状況をありがたく思いました。本コースは体育で走った外周コースよりは長いのでスパートの場所だけは間違わないように、それでも走りたくてたまらない、はやる気持ちを抑える様にいつもより若干速い流しペースで不乱に走り出しました。
それでも何人か抜いて自分の決めたスパート地点が見え始めました。 まだまだ余裕全開。 そしてスパート。前に目標物があると人間は俄然頑張りが利くもので、追われるほうがよっぽどキツイ。ただ...ちょっと待て。
ギアをトップに入れたはいいものの、どうも前日に覚えた風景と合致しない。しばらくそのまま走り続けて私が見たものは、もう1件の米軍ハウス(笑)。
やっやられた〜!!!!!
スパート地点を間違えてかなり早めに本気モードに入った自分の気持ちをもはや収める訳にはいかない。もう行くしかなかった。そうして走っていると隣のクラスのタケダ等もいただろうか。そんなものには目もくれなかった自分が一人だけ、U子さんとはチラッと目が合った(笑)。
いったい何人抜いたのか自分でもわからなかったし、ゴールが遠い、その感覚を自分の余力で天秤にかけるとあまりに絶望的だった。それでもやめる訳にはいかない。ゴールのどれほど手前だったのか分からないが、コースのほとりに我がクラスの女子の集団があった。私を確認したその黄色い声を聞いていると、どうもかなり頑張ってしまったらしい。気がつけば前にいる走者は1人だけだった。
さすがに前に追いつくには距離があったのだが、目に見えていたおかげで私はその目標に向けて走れたのだと思う。さらに後ろからは作戦の失敗した私の抜かした走者が4人くらいくっ付いて来ており、どれもこれも全く予定外の終幕。私を含めた5人ほどが横一線でタスキを渡したところがゴールでした。
明らかに失速した自分を責める気持ちは演劇のときに失敗したそれよりもはるかに小さかった。クラスメートのほとんどが輪になって私を出迎えてくれて色々とねぎらいの言葉をかけてくれたのだった。それが社交辞令であったとしても、自分自身やるだけやった爽快さに添えるエッセンスとしてはまた格別でもあった。でもその時私が聞きたかった言葉を言ってくれたのは意外にも(失礼ながら)彼女であったのだ。
「でも 最後ちょっと...ね〜」と嬉しそうに微笑むそのランさんの言葉に、思わず私は同じよな笑みを返したのだった。その記憶が私の中に残っている最後の彼女でした。
進級も間近に控えたとある冬の話でした。
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