きりんの脱臼
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2003年01月10日(金) 村上きわみ

眼裏の世界地図から日が昇るかみさまはどこ行ってんだ今週   ぶさぶろう


Gがこの世界を見限ってからもうかれこれ二年になる。
いなくなってすぐの頃は、僕らは、どうせそのうち戻ってくるだろうとタカを
くくっていた。なにしろ相手はGだ。そう簡単にゲームを降りるというわけに
はいかないからね。
だけど三ヶ月経っても、半年経っても、帰る気配がない。さすがに僕らも不安
になって、街道から辻々を探してまわったんだけど、あいつ、どこにもいやし
ないんだ。まったく、ファッキンな奴。

あんたにも一応言っとくけど、僕らは一度だってGをないがしろにしたことは
ない。確かに、時々はあいつのこと鬱陶しいと思ったことはあるよ。だけど、
なんといっても奴はほら、クリエイターだし。それに、一度だけ直接聞いたこ
とがあるんだけど、あの「闇」ってやつを創ったのもGなんだってね。それ聞
いて、なんだかものすごく感動しちゃってさ。だって、ふつう、創んないじゃ
ん、闇なんてさ。闇というものが僕らに必要だってこと、Gはちゃんとわかっ
てた。それはすごいことだと思ったね。

で、まあ、とにかくGはまだ帰って来ない。帰って来るのかどうかもわかんな
いんだけど。最近、あいつの気配がどんどん薄くなっていくのを感じるんだ。
この世界のどこにも、Gの気配が残っていないような気がする。そして、奴の
気配と一緒に闇もなくなっちまったみたいだ。世界中、ぺらんぺらんの日なた
になって、僕らは、あいつの不在をちゃんと哀しむこともできないまま、永遠
にぬるーい日なたぼっこをしてる。Gを待ちながら、ね。


桃色のキャンディー・バーは公園の砂場に突き刺して 逃げろ、未来へ   村上きわみ


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