うっかり昨日英会話のキャンセルを入れるのを忘れて 今日はいろいろ忙しかったのだけれど、 最後のレッスンだったし、仕方なく行ってきた。
教室には例の女友達が居なかったので 先生がHow are you?と聞いてきたときに、 最後のレッスンだったので悲しいです、と言った。 何で辞めるの?と再び聞かれたので、 嘘をつくのもおかしいかと本当のことを言った。
その後、絶妙のタイミングで彼女が来た。 そして先生は、目配せした僕の仕草など気にもせず、 丁寧にそのことを彼女に説明した。
最後の授業で、 本当のことを言って傷つけるのと 嘘を言って適当にあしらうのとどちらがよかったのか?
彼女は少なからずショックを受けていたように見えた。 彼女が教室に居ればその話はしないつもりだったのに。 帰りがけにもしかしたらと買っておいたホワイトデーのお返しを渡して、 駅までなんとなく取り繕いながら話をした。
今度彼女のために合コンを設定する、 というどういう経緯でそうなったのか良くわからない約束をして なんとかケリをつけて帰った。
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その四時間前、僕は最悪の状況で彼女への裏切りを打ち明け、 その上に嘘を重ねるということをした。 多分、その嘘も見抜かれているというのに、 僕は事実と違うことを答えることで赦されようとしていた。 赦されるなら、台所の包丁でザックリと刺してくれれば、 ドス黒い大量の血でその前の記憶が流されるならば、と本気で思った。
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今日はとにかく運が悪かったと言うしかない。 エイプリルフールにしては、良く出来すぎている。
生きているうちに何回嘘をつけばよいのか。 そしてその嘘が暴かれたとき、 僕はどうすれば赦されるのか。
そんなのは優しさなんかじゃないと解っていても 僕は、また最後に嘘をつくのだろうか。
夜中になって雨が降った。 ごめん。君への手紙は少し遅れると思う。
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