403 Forbidden

2004年05月17日(月) エール

登録していない電話番号から、携帯にメールが届いた。
迷惑メールにしては手が込んでるな、と本文を見ると、
かなり有名な芝居に出るから見に来てくれ、という内容だった。

相手はメールの中で名乗っておらず、登録してないから
当然誰かわからない。
仕方が無いので、ネットでその芝居について調べてみると、
そうそうたるメンバーの中に、オーディションで受かったという
彼女の名前があった。

昔ちょっとだけ関わったことのある芝居の役者だ。

彼女は地味ながらも本気で役者で食うことを目指していた、
小林聡美のような雰囲気をまとったいい役者だった。
何度か彼女の芝居に音響として参加したことがある。

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前に君達が泊まったホテルの裏には図書館があって、
その先の坂を上がったところに公民館のような、
貧乏劇団には使い勝手のいい建物があった。
僕らはそこで、毎週のように芝居の稽古をしていた。
彼女も芝居の練習のために片道2時間通っていた。

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今週はかなり忙しいのできっと彼女の芝居も
見に行くことはない。
でも、そうやって夢を一つ叶えた彼女に、
僕は遠くからエールを送る。
そして、今度彼女の芝居があったら見に行こう。
そして目下気になっていることは
君はあと何日で部屋の掃除が終わるのか、である。


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