くじら日誌
温かい、紅茶を傍らに。
穏やかで何もない日々だけれど。
せいいっぱい、生きよう。

2005年06月26日(日) 白いキャンバス

高校のときの恩師である部活顧問の先生は毎年、
卒業式に部の卒業生に白いキャンバスを贈ってくれる。
それは今でも続いているのかもう知る由もないけれど、
当時、わたしも白いキャンバスをいただいた。

「贈呈 H9.3.1 To 正山小種(仮)」

キャンバスの裏側には先生の字でそう記載されている。

これからの人生、進むべき道は一人ひとり違う。
今はまだ真っ白なキャンバスに等しいけれども、
この先それぞれがそれぞれの色を重ねてゆく。

白いキャンバスにはそういう意味が込められていて、
時折眺めては「あの頃描いた理想の自分に近づけただろうか」と
想いを馳せる事がある。

今はまだ真っ白なままだけれど。
歳を重ねておばあちゃんになった頃、
人生を振り返りながら想うものを描きたいなあ。


そうして、先生が書いてくれたわたしの名前を眺めながら、
もうすぐこの名前でなくなることの重大さに
ようやく気づいた気がする。
名前が変わったからといって
「わたし」が「わたし」でなくなるわけではないけれど、
それでもやっぱり変わるものはあるんだろう。


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