あったかいフロリダから、九州とはいえ、 いまだ冬の日本に10日間の長い旅をしてたどり着いた 一匹のシルキイベアー。 今、我が家に暖かい空気を運んできた。 でもなぜ、クマがフロリダから? では、ファンタジイを聞いてください。 シル熊は、他にも仲間がいたのです。 彼の第一の兄弟は、フロリダにいます。 ふかふかの真っ白の毛をした彼は、シルクマという名のお母さんと仲良く暮らしているのです。 そして彼の仲良し第一号は今は青森に住んでいます。 名前は、セラフィー・・・ でも彼は、ある突然の出来事からワイン色の熊に変身したのです。 さて、我が家にやってきた熊君に話を戻しましょう。 彼は、とてもいい香りとともに、やってきました。 目と鼻は黒。全身は、サファイア色、 首には、ブルーのリボンを付けています。 彼は森の中を散歩していましたが、おなかがすいてしまって、 食べ物を探していました。 何しろフロリダは暖かいところですから、木の実はいっぱいあるはずです。でもその日はなぜか、見付かりません。 とうとう、ぐったりと座り込んでしまいました。 疲れて眠り込んでしまってると、優しい声で、 どうしたのと呼ぶ声がします。 目を開けると、真っ白の毛をした、シル熊と、 人間のシルクマが立っていました。 そこで、わけを話すと、じゃあ家へいらっしゃいと誘ってくれました。 おうちに着くと、そこはお花がいっぱい。 そしておなかいっぱいシチューをご馳走してくれました。 その時に「あなたにもお家を見つけてあげなくちゃね」と、人間のシルクマが言うのです。 「あなたにも」ってどういう意味?と尋ねると、 同じようなことが、以前にあったと話してくれたのです。 ワイン色になった、シルフィーのことを。 そこで、シルクマはサファイア色のシル熊を、 飼ってくれる人を探しました。 その時に、偶然、森で私に出会ったのです。 おなかいっぱいになった、シル熊は、遠い異国に旅たつことになりました。 指折り数えて待つこと10日、やっと彼は、我が家の玄関にたどり着きました。 今、ソファの上で、大威張りで寝そべっています。 名前をつけなくてはいけません。 森で出会った熊なので、フォレスト君と、呼ぶことにしました。 彼には、ひとつ秘密があるのです。 私の前でだけグリーンに色が変えられるのです(ほんと) でもなぜ、熊がフロリダに? それは・・・ファンタジイですから・・
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