土曜日に演劇を見に行った。 井上ひさし作「雨」 途中休憩を挟んで第2幕まである長編だ。 後ろから3番目の席だったので表情が殆ど見えない。しかし、面白かった。 面白いと言うより、ドッキリ,グサリと心に突き刺さったと言うほうがあたっているかも。 三田和代の天に登っていくような声で、方言をしゃべられると意味はわからなくてもついおかしさがこみ上げてくる。 拾い屋(乞食)の「徳さん」が紅花の大問屋の旦那に似ていると言うところから話は始まるのだが・・ はじめは半信半疑だった徳、欲と色が膨らんできてその紅花屋に行って見ると、ものすごい大金持ちの問屋で、いまだに旦那は行方知れず。 ならば思い切って替え玉になってやれと、うまく入り込むのだ・・ 天狗にさらわれたため、天狗に能味噌を抜かれたと言うことにしていたが、 途中でばれそうになると、ひとり、又一人と殺していく徳。 とうとう旦那の喜左衛門を見つけ、石見銀山で殺害。紅花の栽培方法もすっかり身に付け旦那になりきってしまったつもりの徳。 その時どんでん返しが始まるのだ。 女房のお高に乗せられて、衣装を着替える。 どんどん知らぬ間に着せられる死装束、気が付いた時にはそこは切腹の用意がすっかり出来上がっていた。 その時代、藩は、多額の貢納金を命ぜられ、払えなくなったために紅花が不作だったと嘘の報告をした。 しかし、幕府の内定で嘘がばれ、その嘘は問屋の喜左衛門がついたと言うことに。 そこで、喜左衛門は姿をくらまし、藩や女房はどうしても替え玉が必要だった。そこで、村中をあげて、徳を旦那として迎えたのだ。 歌あり、殺人事件あり、放火あり、色事ありで全編実に面白く、膨大なせりふは息つく暇なく、これでもかこれでもかと観客に襲い掛かってくる。 乳母が「ちちばっば」である証拠だと長い作り物を胸から出したり、女房が「いつものようにして」と、つめより、いつものようにとはわからぬ徳に「ほら、首に紐を播きつけてあんたがひっぱり・・」と、大仰に叫ぶなど、思い切りエッチな部分もあるが、それはそれ、独特の「ひさしの世界」である。 結局、徳は意味もわからず死んで行き、死んだはずの喜左衛門は、番頭が徳の後を着けていっていたので、間一髪で助かり、弟として又問屋に戻ってくる。 時代物でもあり、風刺物でもあり、どこか心にドッキリとグサリを残した演劇であった。 舞台の進行に合わせて雨が豪雨になったり、さっぱり降らなかったり、その場面の早や変わりにかかわっているのも面白かった。 ああ、楽しかったと帰ってみると、朝外に出しておいたラナがそのまま外にいる。え、とビックリして家に入ってみると、夫が突然ぎっくり腰になったと、泳ぎ越しで歩いていた。 (自分だけ、楽しんできてごめんね) 日曜日にはかなり楽になったようで、夫が前から欲しがっていたコートを買いにいった。そこで、本当は福引が5本引けたのに私ったら、勘違いして引けないと思い一本も引かずに戻ってしまい、今もすごくすごく残念でならない。 ああ、もしかしたら、旅行があたっていたかもしれないのになあ(こんな勘違いももしかしたら老化の一種かもとぞっとして、夫には内緒なのだ)
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