市民劇場に見に行ったのです。 平幹二郎のリア王。 時間を勘違いして劇場に着いたのは開演ほぼ2分前でした。 でも混んでいた精で指定席には座れたのですが、地下鉄を下りてから階段をかけあがるのにもう、どうやっても足が着いてこず情けない思いをした上、やっとついたけど席の場所が見つけれずにとっても恥ずかしい思いをしました。このドジぶりはどんどんひどくなるようでこのごろ自己嫌悪に浸っています。 舞台は大掛かりな装置はまったくなく、真ん中にぼろぼろの今にも沈みそうな朽ち果てた木の舟。 そして一本の、葉っぱが一枚もないやせこけた木。 それはまるで、この世の終わりにたどり着いたような風景だけ。 少女のころに胸を高鳴らせて何度も読んだ、リア王、意地悪で欲張りなお姉さんたちに比べて、正直で欲がないコーディリア、でもそれに気が着かないリア王は財産を三つに分けず二つに分けてお姉さんたちにやってしまうのです。 そしてコーディリアは、フランスに追い払われて・・ 王は早速姉のところに行くのですが、体よく邪魔にされそのうちに気が狂って荒野をさまようことになるのです。 この芝居には平幹の息子が、出ていました。 その立ち姿のなんと綺麗なこと。兄を陥れて城をのっとろうとするドンファンの役なんだけど、でも際立って美しいので、善良な兄役はちょっとかすんで見えたかも。 1幕目は時々退屈で、睡魔が襲ったりしたのだけど、2幕目はもうすっかりとりこになってしまいました。 その2幕目のはじめ、城から追い出され乞食に身をやつした善良な兄が言うのです。 「ここまで、どん底に落ちてしまったら、もう何も失うものはない。 今残ってるのはただ、希望だけだ。笑顔だけだ」と・・ このシーンが最高に胸に焼きつきました。
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