少し前のこと、ある銀行のギャラリーで書き溜めた絵画の作品展があっていたので立ち寄ってみた。 作者は年配の男性で、もともとは大工さんだったと言うことで、大きな絵の台座や額もすべて手作りと言うことだった。 墨絵がとてもステキでゆっくり見ていたのだが、似顔絵を描いてくださるというので、見るともなく見ていたのだが、ちょっとステキな感じの中年の女性がやってきてまっすぐ似顔絵を描いてくださいと頼んでいた。 私は、迷うこともなく似顔絵を描いてもらえるなんて、うらやましいなあと思いながら、遠くから眺めていた。 夫との待ち合わせがあって、しばらくそこで過ごしていたのだけど、とうとう書いてくださいとはいえなかった。 その女性は、いろいろ会話をしながら、実に慣れた感じでテレもなくごく自然に横向きで書いてもらっていた。 ちょうどその女性が終わって出て行ったころに夫が来て、お前も書いてもらえよと言う。そこで躊躇していたのだけど、画家の方が書きましょうといってくれたので椅子に座った。 絵のことをいろいろ話しながら、殆ど私を見ることなく似顔絵は書きあがったのだが、う〜ん、実物とはほど遠く、でも夫に言わせればそれなりに特徴は捉えられた似顔絵は出来上がった。 けど、正面からだろうと横からだろうとやっぱり人に見つめられると言うのは私には落ち着かないことだった。 普段から、もう少し自分でも鏡をしっかり見ることから始めなくてはとおかしなことを真剣に思ったものだ。
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