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「悪童日記」 アゴタ・クリストフ
2003年05月29日(木)

途中何度も、読むのをやめ最後に救いはないか、どこかに救いが隠れてないかと探してしまう。

もう終わりにしようとおもい、日にちをあけてようやっと読み終わる。
作者はハンガリー生まれの亡命女性。
自身の子供時代、ナチの影、ソ連の影がはっきりした文字では出てこないけれど、そこここに溢れている。

双子の子供たちは、母親と別れ魔女と呼ばれる祖母と暮らすことになる。
信じられないほど彼らは賢い(このことばが適当か?)

二人で、生き抜くためにいろんな訓練をする。
お互いを傷つけあって、苦しみを感じなくなる練習、盲人になる練習、聾者の練習、殺すことの痛みに耐えるため殺す練習、などなど・・
毎日、事実だけを日記に書く、形容詞は絶対に使わない。
それは、事実とは違うから。

僕らの日記は、本当に淡々と飾りのない文章で書かれている。
まるでレポートを読むみたいに。

読み手によって感想は違うだろうが、私は呼吸ができなくなった。
何度も酸素不足に陥って、本を閉じた。
彼らは一切、痛みを感じないように自らを訓練して、身体も精神も強靭になった。母も父もある意味彼らの手によって殺された。
でも、情愛を持たなくてよい相手、祖母や、兎っ子やその母に対しての彼らの気持ちは「愛」だ、まぎれもなく。「潔く決断する愛」神がいて祈る愛ではないけれど。

これは、3部作になってる、この一冊で終わってしまったら、後悔するかも知れない。最後には救いがきっとあると思うから。



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