日々の思い

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つづき
2003年08月01日(金)

つづき

北国の小さな教会でほんとに内輪だけの式が始まった。
親としてはお友達も呼んでたくさんの人に祝福されて挙げるほうが良いのではと思ったが、彼らは少人数のほうを選んだ。
親兄弟だけの参列によるささやかだけど心のこもった式だった。
牧師さんのお話を聞いて、賛美歌を歌って署名をする。
式場の担当の方のおざなりでない心のこもったもてなしは、まるで身内か友人のそれだった。
ここは日本全国から若者が式を挙げに来るそうで前日も、福岡からカップルが来たそうだ(その日は水害で大変だったから飛行機がちゃんと飛ぶかどうかやきもきしたに違いない)
すべてが無事終了して、私たちと息子夫婦はホテルへ宿泊。
次の日はミニ新婚旅行を兼ねて、5人で富良野へ行くことになった。

富良野駅の近くにあるカレーやさん「唯我独尊」に寄ってちょっと辛いがおいしいカレーを食べる。
ここはちょっと変わっていて知らずに通ったらまず気づくことはない店構えだ。店内に入るとひげのマスターが大きな元気な声で迎えてくれる。長男が以前3回ほど寄ったそうだ。
テーブルの隅には大学ノートが置いてあってお客さんからのいろんなメッセージで埋め尽くされていた。私も書き込もうかと思ったが残念ながら3冊あったノートは全部最後までびっしりと文字が埋まり少しの余白もなかった。

札幌を出発したのが10時過ぎ、車2台ののんびり走行だったので、目的地に着いたときは、もう午後の3時半を過ぎていた。
見渡す限りのラベンダー畑は青空に映えてすばらしかった。
次の日仕事が待っている子供たちを遅くまで付き合わせるわけにも行かず1時間くらいの滞在で引き上げることになる。
夕食をどうしても一緒にしたいと、子供が譲らないので結局は夜の9時ころまで一緒の時間を過ごす。
私たちは次の日の飛行機なのだが子供たちとはこれでお別れ。
子供たちはなかなか帰ろうとしない。
いつまでもいても同じだから、もうお帰りと促すと握手を交わして帰っていった。家に着くまで殆ど無言で帰ってらしい。

会うときは嬉しいがどんな場合もやはり別れは辛い。
私たち親よりも子供たちの方が辛かったようだ。

下の子は小さいときからファンキーな子でテレを隠すためについふざけたことをするタイプだった。いつもお兄ちゃんを頼りにしてどんな時も後ろからくっついて歩いていた。
親元を離れ5年半、彼もいつの間にか成長したんだなとつくづく思う。
どこが良かったのと彼女に夫がしつこく聞いてえられた言葉は、なんと「行動力」だった。私たち親の目から見たらいつまでたっても下の子で甘えんぼ。それなのにと、絶句して噴出す私たちに長男が「一番評価が低いのは親だな!」の一声。

これからは、彼がみんなの前で堂々と挨拶したように、まるでお人形さんみたいに可愛い奥さんと幸せな家庭を作っていってくれることを願っている。



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