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昨日倉庫の片づけをしていて何かにつけてお花を生けていたガラスの花器が割れた。この花器は私の青春時代を知っていた数少ない”もの”のひとつだった。約30年くらい前のもので適当に大振りなのでちょっと大目のお花を入れるのに、いつも使っていたのだけで、最近出番がなく倉庫に眠っていたのだ。ちょっと横のものを動かそうとしたとたん大きな軽やかな音を残して微塵になった。 こうして青春の思い出がまたひとつ消えていったと複雑な思いで眺めてしまったのだけど・・・これも私だけの歴史。 ちょうど一年前の今日、とても美しく咲いていた薔薇が力尽きて逝った。 人は生きていることをよく「生かされて在る」という言葉を使う。 だから逆の場合でも、その必要があったと。 それはそれで(死ぬこと)仕方がないのではなくて、その必要があったと。 その人がいるだけで、周りが幸せになるような、そんな人であればなおさら「生かされて在る」のではないか。 いつの時代でも、私たちは生きている限りいつかは、命の日が消えるときが来ることはわかっているのだけど、あまりに突然に理不尽なその日がくるのはつらい。 それでも私には思い出を追うだけで、何もできないのだけど。 そんなことをふと思っていた矢先、薔薇の花が届いた。 あの薔薇の人が心から愛した薔薇が。 それはあのころとおんなじ、少しも色あせないあの薔薇があった。 私はやっぱり何もできないけど、薔薇をなでながら涙しようと思う。 日光に輝く薔薇 ![]()
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