2006年02月18日(土) |
舞台「ラブハンドル」 |
金曜日、舞台を見に行ってきた。見たのは「ラブハンドル」 私にとっては、「ビューティフル・サンデイ」「お父さんの恋」に次ぐ、 脚本中谷まゆみ、演出板垣恭一のコンビによる作品。
出演は富田靖子、原田泰造、石黒賢、長野里美、小須田康人、瀬川亮
以前、中谷まゆみの脚本を「地上5cmのハッピーエンド」と評した演出、 板垣恭一が今回パンフに書いていた言葉はこうだった。 「ラブストーリーなんてやはり他愛ないだけのものなのかもしれませ ん。しかし今回は特に他愛ないものの持つ隠れたパワーを本気で信 じて作ってみました。お口に合えば幸いです」
物語は、離婚を専門とする原田泰造演じる弁護士と、その彼と10年間 同棲していてる富田靖子演じる秘書。彼女は本当は結婚してもらいたい んだけど、すでに倦怠期を迎えてしまっていて。
そこにいきなり旦那が仕事を辞めてしまったことに腹を立てている 長野里美演じる、弁護士の姉と、その仕事をいきなり辞めてしまった ちょっと変人の小須田康人演じる夫。
そしてその弁護士事務所に、ちょっと変わった依頼を持ち込んだ、 石黒賢演じるちょっと弱気な男と、そしていきなりやってきた、 瀬川亮演じる、謎のいわくありげな若者。
その登場人物それぞれの、恋愛模様をコメディタッチにして見せて くれた劇だった。 いやあ時々ほろりとしながらも、思いっきり笑わせていただきました。
男である自分としては、自分がそれぞれ異なるこの舞台の登場人物の どのタイプに似ているかなあ、なんて考えてみるのも面白くて。
この作品は、DVDになることが決定していて、もしかするとWOWOWでも やってくれるかもしれない。 なので、もしも見る機会があったとしたら、見てほしいなあ、と思う。 オススメである。
出演していた役者さんたちについて書けば、今回何よりもよく頑張った のは、原田泰造だろう。 何回か噛んでしまったのはご愛嬌というか、よくぞこれだけ長いセリフ を覚えて、しかも主役として場を持たせたな、と思う。
キャラクター的には、おそらくは中谷まゆみが得意とするところの、 ちょっとだらしない男キャラなんだけど、彼が演じることで、ちょっと その役に純真さ、(いい意味での)子供っぽさといったものが加わって。 彼の役は、実はバツ一で娘がいて、そのため結婚という制度に嫌気が さしている、という役なんだけど、すれきっていない感じという味を 加えるのに一役買っていると思うし。ちょっと見直しました。
富田靖子は、相変わらずというか、本当に上手いなあ、と思うし、 何よりこのキャラクターを活き活きとやっているのが、楽しそうで。 セーラー服着ているあたりは、なんか「うる星やつら」のしのぶっぽい 感じだったし。って、たとえが古いか。
石黒賢は、気の弱い性格の役、という普段とは違ったキャラクターで、 ま、正直彼でなくてもよかったのかもしれないけれど、でもやっぱり 彼ならではの新たな一面が見られたような気がしたし。
長野里美と小須田康人に関しては、ちょっとしか出ない役だったけど でもそれでも、山椒は小粒でぴりりと辛い、ではないけれどちゃんと 場をさらっていったのはさすがというか。
というより第三舞台以来のファンとしては、小須田さんの変人キャラ とおかしなダンスと、長野さんのキレのあるダンスが見られただけで も幸せーという感じで。 ダンスは富田靖子も上手かったかも。
で、この舞台で一番の掘り出し物?は、瀬川亮だろう。イケメンで ガタイがよくて、尚かつ声のトーンもよければ、舞台では無敵?で しょう。 朝の連続テレビ小説「ファイト」のヒロインの恋人役をやってた事 もあるし、今後の活躍ぶりを期待したい、って感じで。 サードステージもいい役者を育てているよね。 という感じなので、多分DVD買っちゃうかもしれない。
さて、余談ながらこの舞台のテーマに絡めるならば、私は今、独身 ではあるんだけど、強烈な結婚願望もないけれど、かといって結婚 なんて面倒くさくて嫌だなあ、という気持ちもない。
周りを見回していても、結婚って、バラ色の生活だとは思わないけれど でも、逆に言えばだからこそ、他人とお互いに快適に過ごすための 努力はしていたいと思うし、その結果として一人でいるよりは、退屈 しない人生になればいいなあ、位の気持ちであり。
私自身は、運命の相手がどこかにいるはずだ、とか赤い糸の伝説という 物はあまり信じてはいないけれど、でもこの人とは一緒にいたいなあ、 努力したいなあ、と思えるような、そんな相手とだったらいつでも結婚 したいと思ってみたり。
完全に相手に寄りかかっちゃうのでもなく、(もしも相手が寄りかかっ てきてもそれに耐えうる位の度量は持っているのは前提として)、相手 を完全に依存させちゃうのでもなく、お互いに寄り添うような、そんな 関係が出来ればいいのにな、なんて思うのだけれど。
なんて事を言っているから縁遠いのか、もしかして。
という様な、私の勝手な思い込みは別にして、この舞台は素直に楽しめ る作品だったと思います。
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