キッシンジャーの日々
キッシンジャー



 あと半月

どうしようもなく腹が減ったんだ

本当に腹と背中がくっつくんじゃないかって心配になるくらい

家の中には何も無くて

でも、僕は

飯を食むのが七面倒臭くて

コンビニまで行くのも億劫で

結局、点けっ放しのテレビを

無感情に

無気力に

ただひたすら

ぼーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

っと

観ているんだ

そのうち

夜になって

そのうち

深夜になって

そのうち

テレビも僕の相手をするのに

限界がやってきて

ざーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

って

なったり

ぴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

って

鳴ったり

し始めるんだ

それでも僕は

飯を食うのが七面倒臭くて

また

元の様に

コタツに潜り込んで

無駄に

無意味に

惰眠を貪るんだ


もう12月も

半分過ぎた

師走って言うけど

ありゃ、嘘っぱちだ

僕はこんなにも

だらけている

だらけ過ぎて

ポッカリと開いた口から

涎もだらだら垂れる

「人間は内側から腐っていく」

って、どっかの文化人がいってたが

どうもそれは本当らしい

だれが言ったんだ

こんなこと

こんな

バカ真面目に言わなくても

いいじゃあないか

少しはヒネって

もう少し

気の利いた風に

言えなかったんだろうか

と思う

ふと我に返る

八つ当たりは良くない

しかもその対象がわからんのにするのは

愚行だ


そういや

テレビを眺めていたら

辰吉がボクシングの試合をしていた

女々しいとは思わなかった

居場所があるなら

それにしがみついて

離れないのが

人間だ

と思うのだ

ただ

自分から離れた場所へ

もう一度戻ってくるのは

本当に相当なエネルギーを必要とするものだ

だから

辰吉は

かっこいい

と思う

その辺の人達よりずっと

バイタリティーに溢れている

もちろん

僕よりずっと

生き生きしている


僕は

何をしてるんだろうか

なんか

すごく大事なことを

忘れている気がする

ああ、でも

それを考えるのがだるい

だるいだるいだるいだるいだるいだるいだるいだるいだるいだるいだるい

今日は

この辺でやめとこう

2002年12月15日(日)
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