キッシンジャーの日々
キッシンジャー



 クラムボンの歌から

『恋を煩う人と恋が煩わしかった人』

というフレーズから、

こんな文章が

モノレールの車中で生まれた。


「人は時として
生きることを煩わしく思い、
憂いを煩う。

何かに挫折したとき、
失恋したとき、
お腹が空いたとき…

そんなときに人は
よく空を見上げるだろう。

下を向いていたら、
わずかに残る希望さえも
今にも
眼からこぼれ落ちそうな気がするから。

人々は
見上げたいと節に願っている。
見上げないと見えない世界があるから。

彼女はそんな気分に浸りながら、
大好きな飲むヨーグルトを
一口ずつ口に含んでは、
モノレールの窓から見える
冬のけだるい夕空を見つめていた。

僕にはそれが、
かすかな慟哭
に見えてならなかった。」



2004年01月27日(火)
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