蛇腹食堂
書人*なび太

   

  




睨む女 蔑む男
2002年11月27日(水)
「毎度毎度のお願いながら
 他のお客様のご迷惑にもなりますので、
 車内での携帯電話の御使用はお止め下さい。
 また、
 心臓ペースメーカー等の医療器具へ
 影響する恐れもありますので、 
 混雑した車内では、
 電源をお切りくださいますよう、
 お客様のご理解とご協力をお願い致します」

車内放送が流れてるそばから、
必死に携帯でメール打ってる人いるじゃないですか。
そりゃ僕だって、
電源切るまではやってないですよ。
でもですよ、
「気が引ける」って気持ちはないのかなぁ、
とは思うわけですよ。
さらに言うと、
「ああ、この人はきっと
 耳が遠くて、文字でしかやりとりのできない
 可哀相な人なんだなぁ」
とか、
ひどく軽蔑したことまで考えちゃうわけですよ。

だからと言って、
「こら、君は放送が聴こえんのかね!」
とか激昂しながら、
その人の携帯を取り上げて、
スパーンとか床に叩き付けてぶっ壊す、
なんてマネもできないわけですよ。
だってそれやっちゃったら、
ただのヤバイ人じゃないですか。
普通の小心者な男の子でいたいし。うん。

そんなことを考えつつ、
今日も山手線の車内で、
メール激打OL風お姉さんを前に、
遠い目をしていたんですよ。

そしたらですな、
急にOLが振り返ったんですわ、俺の方を。
いかにも、こう
「キッ!!」
って音が出そうな感じで。

な、ななな…?
俺は痴漢なんかしてないよ?
へ?なんで俺、睨まれてんの!?
そりゃいきなり睨まれりゃ、
人間挙動不審にもなりますわなぁ。

そしたら、そのOL、
いかにも、こう、
「ははーん、やっぱりね」
って台詞が聞こえてきそうなしたり顔で、
こっちを向きながらメール打ち始めたんですよ。


…。



あ。



ここで始めて気づきましたね。
「メールを盗み見してた」と思われたんですな。
あー、なるほど。
それでその行動ね。
あー、はいはい。



…。



って、
納得できるか、ボケェ!
誰が貴様の下らんメールなんぞ
わざわざ盗み見するかぁ!!




もう、これは腹が立ちまして。
昔は結構な小心者だったんで、
腹が立っても、相手が知らない人だったら、
腹の中だけで処理してたんですね。
それがどうも最近、歳のせいか、
態度に示したり、
行動に出るようになっちゃいまして。
つい、口に出ちゃいました。

「勝手に勘違いしてんな、
 この自意識過剰女が」

わー、言っちゃった言っちゃった。
相手、目が点だよ。
丁度電車が降りる駅に入ったとこだった、
ってのもあったんですが、
まぁ、我ながら驚きました。

しかしねぇ、
確かに口が悪かったのは認めますけど、
見られたくないんなら、
公の場である電車の中なんかで、
メールなんて打たなきゃいいんですよ。
そこんとこ勘違いしてることが、
どうにも腹に据えかねまして。
最近、「怒る大人」が減ったじゃないですか。
だからたまにはいいかなと…。

最近空気が乾燥するにつれ、
どうも気までささくれ立ってるなび太でした。




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