蛇腹食堂
書人*なび太

   

  




謹恨乾寒。
2002年11月29日(金)
級友達と、
「ヱビスビールの樽生」を飲む会を催すも、
ホームグラウンド高田馬場では、
「ヱビスの樽生」を出す店が見つからず。
結局のところ、
いつもの気勢の上がらない飲み会に終止した。

いつものように、
バカを言い合い、
楽しい時間を過ごした。

ほろ酔いで、
人もまばらな電車に乗る。
途中、
酔いのついでの居眠りで、
頬骨が折れたんじゃないかと思うくらい、
顔面を手すりに強打した。
しかし酒の「麻力」は恐ろしい物で、
頬をさすりながら、
再び深い眠りに落ちてしまった。



目が覚めると、
なぜかきちんと椅子に座っており、
そこは地元の駅であった。
頬を通常の3倍に張らした僕は、
周囲の人々の、
チラチラという視線を気にしながら、
寒風吹きすさぶ地元の駅前に降り立った。
今日は、両親が、
夫婦水入らずで伊豆へ湯治に出かけており、
家に帰れば一人である。
久々の一人暮らし気分。

意気揚々とコンビニに入ると、
レジでカップルが、
明日の朝食であろう菓子パンを、
イチャイチャグチョギチョと買おうとしている。
なかなか財布から小銭が出ないらしい。
女が男の財布に手を突っ込もうとして、
小銭が俺の足元にこぼれ落ちた。
慌てて男が拾う。
「すいません」の一言もない。
そのしゃくれたあごに、
ひざを入れてやろうかと思ったが、
辞めておいた。
そんなに「若く」ないやい。

コンビニを出ると、
相変わらずの木枯らしが吹いていた。
飼い主の帰りを待つ二頭のラブラドール犬が、
何を勘違いしたのか、
僕に嫌に尻尾を振りつつ飛びついてきた。



家に帰ると、
虚しく侘しく、
門灯などが煌々と点けられている。
玄関を開ければ、
当然、「お帰り」の声はない。
さすがに、
「寂しい」、
と思った。

こんな生活も、
たまにはいい。
たまには。
さて、
カップラーメンでも食うか。




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