蛇腹食堂
書人*なび太

   

  




床屋談3
2002年12月15日(日)
またこの日がやってきまちた。
2ヶ月に1度のお楽しみ。
「床屋」です。

どうも僕は床屋というのが苦手でして。
その辺のお話は、
古い日記のほうでも書きました。(コチラ)
気になるよぅという方だけ読んでください。

さて、
今回も同じ店です。
相変わらずマスターってば、
就職活動のことばっか聞いてきます。
聞くなよ。
察してくれよ。
ただでさえ、床屋に居るだけで気分滅入ってんのに、
余計に凹んじゃってるのにさ。
マスター全然気付いてくんないし…。



またあの、
「きっちりかっちりカット」
にされるのはもはや読めてるんで、
半ば諦めの境地であります。
しかしながら、
どうにも嫌なのが「顔剃り」ってやつでして。
そもそも他人に顔に剃刀当てられるなんて、
あんまり良い気のするもんじゃないですよね。
それに加えて、この店では顔剃りの間じゅう、
お客さんの足元から、
加湿器によって発せられる蒸気を、
顔目掛けて噴射させてくれるのです。
”肌荒れ防止”の心遣いなんでしょうが、
実はこれがけっこう辛い。

ほら、ヒゲそる時って、
変な泡を塗りつけるでしょ。
シェービングクリームって奴ですな。
あれってわりと粘性の高い泡なんですが、
それにしたって、下から風に煽られ続けてりゃ、
段々弾けて微細な泡になっていくわけで…。
はい、察しの良い方ならもうおわかりですな。
その細かい泡は、
「鼻」というエアインテーク(吸気口)
に遠慮なく侵入してくるのです。
健康優良児であればそれも対した事はないんでしょう。
しかし、ワタクシ、ややアレルギー体質でして…。

まず第一波として、
「くしゃみ欲求」が襲ってきます。
顔に剃刀が当たってる最中に、
くしゃみなんかしたところを想像してごらんなさい。
耳元で「サパッ」なんて音が聞こえて、
生ぬるい感触が肌をつつーっと伝い…。

ひーっ。

しかし、神様というのは実に意地悪な方で。
泡の攻撃はこれだけにとどまりません。
異物質の侵攻を受けた鼻の粘膜さんは、
とにもかくにもこれを排出しようとするわけです。
しかるべき対処として、
第二波「鼻水」が襲ってきます。
アナタが理髪師になったとして考えてみてください。
鼻の下を剃ってる最中に、
ふと手に生温かいものがついて、
気になって手を覗いてみたら、
お客さんの鼻からつつーっと透明の糸が伸びて…。

ぶわはははははっ!!

思わず笑っちまうじゃありませんか。
いや、笑わなくても、良い気はしないでしょ。
そんなの、なび太、耐えられないっ!
それ程の屈辱を与えられるのであれば、
いっそのこと、舌を噛んで立派に果ててくれよう!
武家言葉なのは、
ついさっきまで「利家とまつ」の最終回を見ていた影響です。
特に気にせず読み続けてください。

そんなわけで、
僕はマスターに「はぁい、顔を剃りますねぇ」
と告げられるたびに、
身体を硬くしてあの椅子の背もたれに身を任せ、
顔剃りの最中は、ブルブルガクガクと、
身体を小刻みに震わせ続けてているわけです。
別に剃刀が怖いわけじゃないやい!
悪しからず。




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