蛇腹食堂
書人*なび太

   

  




虫にたかられる男
2003年04月23日(水)
最近、やたらと巨大虫が家に現れ、
何かというと、僕が襲われる。
これも何かの縁だということで、
今日は「虫」について書こうと思う。
「虫嫌い」の人は、
ひょっとしたら読まないほうがいいかもしれない。

世のなかには、「虫に好かれる人」というのが、
少なからずいるんではないかと思う。
かく言う僕もその1人だ。
しかし、これはあまり喜ばしいことではない。
もし、僕が幼少のみぎりから、
虫に興味や好意を抱いていたなら、
それはそれでファーブル並みの昆虫博士になって、
偉人伝に載っちゃったりして、
それはそれでいいかもしれない。

しかし、
そんなことは全くなく、

僕はどちらかと言えば、虫は苦手だ。

「嫌い!!」という程嫌いではないが、
「好きか?」と聞かれたら、
「そ、そんなことないですっ!!」
と頬赤らめ否定する程度の「嫌い」。
何故頬を赤らめたのかは、本人にも定かでない。

さて、そんな人間に、
どういうわけか、虫は寄ってくるのだ。

ハエにたかられる。
ブヨの群れにつきまとわれる。
この辺は序の口だ。
決して僕が「臭い」からではない。

まず、僕が家族と食卓を囲んでいるとしよう。
そこへどこからともなくカナブンが入ってきた。
彼らは明るいところが大好きなのだ。
さて、そのカナブン。
じっとしてくれているならまだいい。
しかし、彼らにもムラムラ来るときはあるらしく、
突然何を思ったのか、
「ブィィィィィーーッ!」
と豪快な羽音を立てて飛び回り、
ガッシガッシと天井に体当たりをかました挙句、
気を失った彼が落ちる先は、決まって、
僕の汁椀の中だ。

そんなバカな、とお思いかもしれない。
しかし、そんなバカな、が実際に起こるのだから仕方がない。
まるで狙いすましたかのように着水しやがる。
しかも、それが生涯に一度や二度ならまだしも、
毎夏必ず一度は起こる年中行事になってるのだから堪らない。
落ちてくるのはカナブンだけではない。
アリ、羽アリ、蛾、ヤブ蚊、小バエ。
子供の頃には一度だけコクワガタが落ちてきて、
「ラッキー!」と思う間もなく、
目の前で水死されたことがあった。
そこに平穏な食卓などあろうはずがない。
これが僕が夏を嫌う理由の一つでもある。

そういえば大学生だった頃、
夏に静岡県の青部に泊まりに行った時は、
泊まったのが廃校になった小学校の古い校舎だった。
夜の宴会の際、紙コップに入った酒の中に、

が落ちているのに気付かず飲んだ。
僕が人知れず夜の校庭でゲーゲー吐いてるのに、
校舎の中からは楽しげな笑い声が聞こえてきたあの夏を、
僕は決して忘れない。

虫に関する悲しい思い出はもう少しあるのだが、
長くなるので、それは明日に回すとしよう。




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