蛇腹食堂
書人*なび太

   

  




そこのけそこのけ お侍さんが通ります
2003年11月16日(日)
我らが町「逗子」では、
ここのところ戦続きなのであります。
先日は、我が家のトイレで法螺貝の音が響き渡りましたが、
今日はなんと、
市の中心でもある駅周辺を武者共が練り歩くと聞き申した。
その後、武者共は逗子海岸へと歩を進めた後、
海岸に設けられた馬場にて、
流鏑馬(やぶさめ)を行うとの事。
そうと聞いては拙者、居ても立っておれませぬ。

幸い本日、逗子においては、
霜月にあって風強く気温高きこと甚だし。
これでは武者の皆さんもさぞかし大変であろう。
きっと素敵な落ち武者タン武者振りがみられるに相違あるまい。
拙者も、日記のネタを仕入れわが町の広報活動に寄与すべく、
身を削って取材に行くのでありますっ!
というわけで、
鼻息も荒く、家を出立、駅へと向い候。


おらぬっ!
おらぬぞっ!!


武者行列は愚か、足軽の一人も見当たらぬではないかっ!
たれかっ、たれかっある!?
戦はどこぞっ、戦はどこぞーぉぉぉぉぉ...



武者行列出陣の刻限を、
見事に半時程勘違いぶちかました拙者は、
仕方なく商店街でチワワと戯れ、
本屋で求人雑誌を立ち読みし、
埃を被った唐揚など食して、
虚しく時間を潰したのであります。

と、遠くより法螺貝の音。
耳を澄ませば勝鬨まで聞こえてくるではありませぬか。
きっと武者共が動き出したに違いあるまいと、
商店街へと急ぎ駆けつけ申した。



ご覧あれ。
これが我らが町逗子の「武者行列」にござる。
拙者、もっと、こう、
突風と高温多湿に打ち負かされた落ち武者風が沢山
盛大な行列を期待しておったのですが、
というか、
流鏑馬に使うおん馬タンが見たかったのですが、
意外と小規模なので、ちと肩透かしを喰らい候。
ここでも俄カメラマンと化した、
パパやおじぃちゃんが大活躍であります。
我が子や孫の晴れ姿を少しでも近くで接写しようと、
路上に飛び出しては、警備の警察官に蹴散らされ、
路上に飛び出しては、商店会のおじちゃんにどつかれ…。
それでも諦めない、凄まじいまでの必死さ。
この人達が日本を支えてきたのだと思うと、
拙者、何故だか涙がポロポロと…。

と、その時でありました。
涙に霞む拙者の視界に、
青い目をしたお侍タンの姿がっ。



殿っ
こんな所で
ラストサムライ
ハッケンでありますっ!


しかも、後から後からラストサムライが出てきて、
1、2、3、4…って、
裕に10人以上は外国の方じゃありませぬか。
嗚呼、嘆かわしや、逗子市。
市内に基地関係者用の大規模住宅地を抱えることもあって、
恐らくは親善か何かの理由で招待されたんでしょうな。
なんだか金髪に烏帽子がとっても似合っておりませぬ。

拙者、亜米利加人が嫌いとかそんなんではありませぬが、
こういう所に出てきて、
「OH-!ニポンのオマツリー、
 Very nice!Very fantastic!!
 スシー、フジヤマー、チョンマゲェー、
 ドレモコレモ、ベリースピリチュアルデース!」
とか、そういう雰囲気をプンプンと醸し出されるのは、
どうも胸が悪くなり申す。
だから『ラスト サムライ』も見にいかないんだもん。
お前らに「武士道」語られたかないやいっ!!

OH- sorry!スリッと話が逸れ申した。
このように、
ローカルイベントな感はどうにも否めませぬが、
意外と頑張って運営されて居申した。
本当は、この後イベントの本命でもある、
流鏑馬が海岸で行われているのですが、
こちらは残念ながら時間の都合上見学に行く事適わず。

オチも何もありませんで、
なんとも中途半端なリポートになりましたが、
最後にカワイイ「御稚児さん行列」でお茶を濁しときます。
ま、気になった方は、来年逗子へと足をお運びくだされ。
中途半端な武者とやる気のない勝鬨が、
アナタをお待ちしております。オー。





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