翠の日記

2003年04月02日(水) 『夜叉ヶ池』

 3/29公演に行ってきました。
 原作を知らない人のために、前説でストーリーの簡単な説明が入るという演出が新鮮でした。
 その理由も、始まってから納得しました。主要登場人物のセリフが文語調のままなんです。
 これにはちょっと驚きました。時代劇とか、平安とかの言葉と違って明治の文語は読む印象が強いから、セリフが頭の中で文章に変換されて文字列となって浮かぶという奇妙な錯覚に陥ってしまいました。

ストーリーは、
 龍神伝説(池に封じられた龍神が盟約を忘れないように、日に3度の鐘をつけ。人が怠るとき、村は洪水に襲われるだろう)を守る鐘守の夫婦の元に、休暇を利用して説話収集をする夫の友人が訪れるところから始まる。夫も元は都の学生。妻に魅せられて鐘守になったので、都では行方不明扱いだった。
 龍神(白雪姫)には、隣の山に恋しい方がおり、会いに行きたいが、盟約があるため眷属たちに反対される。説得され、鐘が鳴り続けるならと取りあえず我慢中。
 村は日照りに見まわれており、雨乞いの儀式のため妻に白羽の矢がたった。
阻止しようとする、夫と友人。しかし、村人との争いの末、妻は自害。夫は鐘を付くことを放棄し、妻の後を追う。
 盟約から自由になった龍神は池を飛び出し、村を洪水が襲う。友人は逃げおおせ、村を振り返るのだった。

 主要3人以外は、皆、道化っぽい衣装で、現実世界から切り離されている感じでした。
 面白かったのは池を出ようとする白雪姫を止める場面。
 観客から4人が舞台にあがり、役者と一緒にフォークダンスを踊ったり、子守唄を歌ったりして、白雪姫をなだめ、最期に観劇記念の幕とともに、記念写真撮るんですが、私が観た回の学生が、「桜か?」と思うくらいにノリがよく、しかも見た目も可愛い青年でした。
 佐藤アツヒロ、松本莉緒、岡本健一は言わずもがな、とても美しく、本当に目の保養の舞台でした。


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