昨年の11月ごろから WOWOW放送が無料で見られる話は 日記にも書いたと思いますが そこで「ビッグ・フィッシュ」という映画をやっていました 昨年にも放送していましたが 最後まで見られなかったので 今回はちゃんと見届けようと 腰を据えてみました
父と息子のお話なのです
「お父さんは大ほら吹きで 自分のことを少しも考えていない」と 次第に父親と会話がなくなってしまった息子 家を出て 遠い街で幸せな結婚生活を送っていて もうすぐ子供が生まれるというところ 母親から父親の具合が悪いので 帰ってきて欲しいと連絡が入ります 自分が帰っても 父親は必要としていないし ちゃんとした話もできないほど希薄な関係にあると 両親の元に帰ることを躊躇します なかなか決心が付かない夫に お腹の大きな妻が一緒に行きたいと言い 夫を説得します 気が進まないもののやはり父親が気になり帰ります 父親は相変わらずありえない話を息子にします 息子はどうして嘘ばかりつくのかと腹を立てますが 嘘ではないのになぜそんなに拒むのかと 逆に父親は不思議に思うのです 病床にあるというのに 自分が体験したという不思議な話しは続きます 川の中で 見たこともない大きな魚が 指輪を咥えて足元を泳ぎます それは後に愛する妻への結婚指輪となった・・・ 5メートルも身長がある友人の話・・・ 足が2本 上半身が二つもある綺麗な女性の双子・・・ 「・・・いい加減にしてくれないか もっと話すべきことがあるだろう」と怒鳴ってしまいます そんなことを繰り返す中 とうとう父親が別れのときを感じたように 「あの話をしてくれ」と息子に頼みます あの話?「私が川へ行く話だよ」 川?『それは・・・聞いてないよ・・・』 あわてたように息子が言います 苦しそうな父親 息子はあわてて 『わかったあの話だね 今するよ』 うその大嫌いな息子が話し出した内容は 今まで父親が語ってくれた うその数々・・・ ところがそれは簡単に現実のように思え そして目の前にその情景は広がります ゛お父さんは少しも重くなく とても元気なんだ 僕がお父さんを抱えて 病院を抜け出していく お父さんの大事な真っ赤な車が新車になっていて それで川まで走る そこには お父さんの話してくれた 大勢の人たちがみんな微笑んで手を振っているんだよ 泣く人なんていないんだ みんな笑顔でお別れをしてる゛ 「そうなんだ・・・そして最後に私の愛した 川の精に 指輪を返すんだ・・・」 ゛お父さんを川の水に入れると すぐにお父さんは大きな魚になって 僕の周りを2・3度回り 川へと消えていく・・・゛ ・・・話し終わると 父親はすーっと息を引き取るのです 父親の葬儀には 綺麗な双子(体は離れていました) 5メートルはないけれど 2メートルほどの大男 今まで話に出てきた人たちが 大勢集まってきたのです いつの間にか涙は消えて 息子は妻と顔を見合わせては微笑みます 父親が残した話は嘘ばかり だけど 臨終の父親に川の話をした自分と 魚になった父親が空想できたことは 息子の中にずっと残り 「嘘つき父さん」は ずっと語り継がれて物語の主人公になってしまったのです と そんなお話でした 一生ファンタジーの中に生きた父親 なくなって初めて 父親の世界が見え 理解することができた息子 なんていうか・・・すごく感動してしまいました 本当に経験した話の中に 嘘で誇張したものなのですが 息子がそんな父親に反発して 病院の医師にこぼすシーンがあるのです 「あくせく稼いだお金でやっと指輪が買えた と言うのと 釣りをしていたら 見たこともない大きな魚が指輪を咥えて現れて 自分の周りをぐるぐるまわり きらりと指輪を輝かせた と言うのと どちらが楽しいかな?」 と 聞くのです 涙が出るほど 『魚からもらう!!』 と言いたくなってしまいました しかもそれは 川の精からの贈り物なんです そんな素敵な結婚指輪は 世界にひとつしかないでしょう? 私もそんな世界は大好きです ・・・あはは・・・ちょっとおかしいのでしょうか
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