いっしょくんの日記

 へ(* ̄ー ̄)> 
なんとなく 書くんで〜
なんとなく 読んで下さいね。

2006年12月06日(水)  外面


 担当のKさんが 朝からご機嫌斜めで
 眉間にしわを寄せて 時より大きな声を出しています
 やることなすこと気に入らない感じで
 「はやく・・・はやくしてよ・・・」
 と 力なく訴えます
 考えすぎたり 思い込みが激しいと
 Kさんのように年を取るのかな と
 思うことがあります
 被害妄想で 自分が寂しいのも
 みんな人が悪いと思っているのです
 ・・・まぁ 私自身 我が振りなおせという気もしますが・・・
 自分の体が利かないことも
 おしっこが出ることも
 ウンチが出ることも
 みんな人が悪いのです
 
 爪が伸びていて 爪の中が汚れています
 おそらく数日前の便が詰まったままなのでしょう
 爪を切って 手を洗っていると
 「はやくしてよ こんなことしてていいの?
  あんたが のろいから駄目なのよ」
 はっきりと話せなくなった言葉ですが
 何を話しているのかわかりました
 『何を早くして欲しいのか教えてください
  早くしたいことがあれば 私が早くしてあげますから』
 にっこり笑顔で切り返すと それっきりです
 またしばらくして思い出すと
 「はやくーはやくしてちょうだいー」
 と なるわけです
 私の勝手な憶測では
 おしっこが出ていて「おしっこがでた」と言っても
 用意に換えてもらえない 便の場合も同様
 「換えてちょうだい」が「はやくー」
 になっていったと思うのです
 それが すべて「はやく」につながり
 「はやく起こして」「はやくつれていって」
 「はやくおしえて」
 と はやく の一言で済んでしまっているみたいです
  
 私と2人のときのKさんはここまで
 車椅子で部屋を出て 他の棟へ出かけると
 一変します
 通りすがりのヘルパーが 声をかけるたび
 愕然とするような笑顔と応対です
 「Kさん こんにちは」
 「まぁ お元気そうね こんにちは」
 なのです
 知っているヘルパーは
 「今日も外面がいいね」
 なんて 私に耳打ちしたりします
 『まぁねぇ 外に向けてあれだけの笑顔なら
  部屋での不穏はいいとします』
 私にわがままが言えて それは中
 笑顔で対応が外 だとしたら
 それができることはまだ社会性が残っているということで
 まだ精神的には機能しているということですものね
 良しということです

 そしてこれが私の仕事なのです
 


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