迷い心


2004年07月11日(日)

前略

川縁のベンチの上に横たわる

雲が無い空には地上の光に霞みつつも
いくつかの星は瞬き
視力を矯正するプラスチック片を通して僕の網膜で像を結ぶ
想像もつかない遠くから
ただ光続ける星々

時同じくして僕と同じように星を眺める人はいるのだろうか
もしいたとすれば
その人は何を思うのだろうか


目を閉じる
視覚からの情報は途絶え
途端に僕は地上の一部となる
風向きによって聞こえる対岸のギターの音
肌をただ流れていく風
川の波音
川魚が跳ねる水音
散歩する人の足音
遠くの橋を走る車の音
虫が奏でる音色
切れかけた街灯の音
風に吹かれ擦れあう木々の葉
胸と腹に置いた両手が感じる
僕の呼吸と鼓動


火が灯るタバコを空にかざす

星から僕の姿は見えるだろうか


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仁 [MAIL] [My追加]