2002年08月06日(火)
夏は名残の骨を 私の背にうずめ 去って行くのです いつだって いつの年だって ますぐに伸びる向日葵のように いつも上を向いていなさいと その人は私に言うのでした 夏の空は低くて 私の頭はすぐにつかえて その人の顔も声も指の形も 何一つ残ってはいないのです 全ては太陽が いえ向日葵が 食べ尽くしてしまいました 夏は去りました もう、とうに 増えて行くのは骨ばかり 一つ一つの突起には 夕立の匂いや風鈴の音が染み付いていて 背中を曲げるたびに 痛む のです どこにも無い夏が 私の背を しおれて俯く向日葵を 届ける場所を知らない私は 一つ増えた骨の形を 少し曲げた背中で探しているのです |
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