あまおと、あまあし
あまおと、あまあし
 即興/連環 2002年09月02日(月)


百と十回、私は
鱗ある生き物でありました
叢の下に居を定め
追い詰める獲物の事ばかり
思いつづける存在でした

千と一回、私は
水に棲む生き物でありました
閉じることの出来ぬ瞼で
ひるとよるとを
川面の季節を
見つめつづける生命でした

  思い出される光景は
  千の昔の私か
  百の昔の私か

  止まぬのです

  止まぬのです
  地に満ち水に満ち
  それでも

百と十、千と一とを掛けあわせ
私は
こいねがう幼い生命であります
この手に余ると知りながら

花も
星も
全てを





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 著者 : 和禾  Home : 雨渡宮  図案 : maybe