あまおと、あまあし
あまおと、あまあし
 (断片) 2002年09月30日(月)


千回のサヨウナラと
千一回のハジメマシテを繰り返し
僕らはまだ二人ぼっち


       窓の外が明らんでいく
       目覚めるたびにこの指が
       自分のものであることを疑い
       昨日はどこに留まっているのだろう
       刻まれた目盛りを探しても
       膝の裏にあるのは僅かな窪みだけだ

  いちたすいちは、に
     ひとりとひとりは、ひとりとひとり

軌跡はどこに描かれている?
石を投げて過去に当たるのなら
はるか未来で振りかぶる腕が
空の隙間に見えても不思議ではない
見開いたままでは届かないのに
目を閉じて聞こえる
明日の声


     どこまでもいきたい、はてしなく



これは直線ではなく、円環である


巡る、とは 変わりつづけるということ とは
喪いつづけるということ


明日の訪れる音を知るすべを
君は既に持っているのだ
幾重にも幾重にも円は描かれ
それは全て君という一点を中心にしている
目を閉じ目を開き
全ての重力を確かめたまえ

ここへ そこへ どこへ 

どこまでも


    

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 著者 : 和禾  Home : 雨渡宮  図案 : maybe