あまおと、あまあし
あまおと、あまあし
 走り書き 2002年10月04日(金)


しかし人は、自分の個人的な感情だけでは生きられない。
身内の不幸を嘆くだけではなく、我を失い運命や社会を憎むその姿を衆目にさらして、恥ずかしくは無いのか、と。
そう思う私は、既に子供ではない。
否定的な意味でも、肯定的な意味でも。

システムの中に生きるのなら、そのシステムを維持する努力をするべきだ。
共同体の一員として護られたいのなら、その共同体が不利益を被るような行為はつつしむべきだ。
個人として生きるのなら、誰かの庇護などあてにせず、独りで歩けばいい。
しがらみを望みながら、しがらみを厭う。
庇護を求めながら、束縛を嫌う。
望むだけ、望むだけ。他人に何もかもを望むだけ。
そんなの。
醜いじゃないかって思う。
……やっぱ、ガキか。

 ※   ※    ※

いつだって、蛙は足をたわめて身構えている。
君の望みが、蛙のための雨だ。
高みを目指す眼差しが、空の輝きだ。
顔をあげたまえ。
君は、いつだって跳べる。






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 著者 : 和禾  Home : 雨渡宮  図案 : maybe