あまおと、あまあし
あまおと、あまあし
 朱にすら染まらぬ紅葉うち落とす 2002年10月28日(月)

 /白を踏みしめ神無月の朝

今日は「初霜」でありました。
「山のほうで雪が降っている匂い」がしました。
こういう時、自分が寒冷地の生き物だと痛感します。

「雪の匂いがする」とは良く言われます。
これは多分、数年雪国で暮らせば解るようになるのじゃないかしら。
雪が降る直前の、埃っぽいような湿っぽいような匂い。
でもそれは匂いだけではなく、皮膚とか、空気のこもり具合とか、音の伝わり具合とか、全身で感じているもののような気がします。
そして、「もう直ぐ雪が降る匂い」とは別に。
あるんです。「山のほうで雪が降っている匂い」(笑)
これは匂いっていうか、皮膚感覚のほうが強いですけど。
住宅街で、山の様子なんて解らない所で仕事してても、はっきりわかります。
とまあ、これが昨日の詩のタネあかし。


冬。
夏よりも、春秋よりも、生き物としての感覚が鋭敏になる感じがして好きです。
氷点下になればなるほど、空気が澄んで張り詰めて、自分の皮膚感覚が遠く山の端まで届くようになる気がして。
まだ10月だというのに、ひしひしと冬の気配がして、心が騒いだ一日でありました。
冬よ、こい。



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 著者 : 和禾  Home : 雨渡宮  図案 : maybe