あまおと、あまあし
あまおと、あまあし
 冬来 2002年11月13日(水)


聞かなかった言葉が
耳の後ろにたまっている
こんなにも
ながく、と

潔く落ちる柿の葉を数えながら
日に日に短くなってゆく温度計の
先端の色を
伝えられないかと
指を差し出してみた
笑う
よね
拾いもしないのに
だけど
うん

木蓮の花芽が
もう一つ向こうの季節を
待っているから
繋いで
かたちを真似る
閉ざしていれば
いつか溢れて
わかるかもしれない

聞かなかった
いくつかの季節





過去 一覧 未来


My追加
 著者 : 和禾  Home : 雨渡宮  図案 : maybe