あまおと、あまあし
あまおと、あまあし
 新雪 2003年01月04日(土)


とびらを開けて、

例えば雪が降り積もっていても
その下の貴方の足跡は消えていないのです
ながい、ながい
眠りはすでに梢の下で
待ち構えています

貴方は私の瞼を閉ざし
私の耳をふさごうとしました
鱗は
けれど耳の後ろにはりついたまま
りりりり、鳴いています
消えない、どれだけ経っても

重ねられた温もり
ひとつの指の温かさは
ふたつめの掌の重さになり
かさねられた吐息の熱になって
残される、かたち
瞼を閉じても
なぞることが出来るのです
今でも

あらたに、と願いながら
けれど喪いはしないのです
足跡は、いつでも雪の下に

とびらを、開けて
私の足跡を重ねながら


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 著者 : 和禾  Home : 雨渡宮  図案 : maybe