あまおと、あまあし
あまおと、あまあし
 ゆめうつつ 2003年01月27日(月)


日々は螺旋のかたちで連なっている。
昨日過ぎた道の、少しだけ温度の違う今日の固さの、
ゆっくりと歩く影に追いついて追いぬいて、
けれど触れ合うことも無く。
昨日の私は、今日の私ではない。

それは、夢と何ら変わらない。
夢の中で私は貴方に恋をした。
焦がれ、惑い、泣いたのだ。
私は貴方を知らない。
けれど私は知っている。
貴方の声、貴方の温もり、貴方の存在を。

夢と現の違い、など。
答えられるはずがあろうか。
どちらでも私は存在し、想っている。
未来のことを、過去のことを。
隣にいる貴方のことを。
経験し、重ねられていく想いは、どちらも等しい。

だから眠ろう。
夢を見て、夢に貴方を想おう。
だから目覚めよう。
目覚めて貴方を忘れ、伸びた髪を切ろう。
櫂はふたつ、船を進めて行く。









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 著者 : 和禾  Home : 雨渡宮  図案 : maybe