あまおと、あまあし
あまおと、あまあし
 夜を渡る 2003年02月02日(日)

夜の底には
まだ届かないらしい
耳たぶで測りながら
月までの距離を考えている

この身体は結局
リンゴひとつほどの物質で
原子核と電子の距離は
永遠に縮まらないのだ
寄り添って漕ぎ出しながら
私たちは廻っている
からっぽを中心に

世界は歩みを止めないだろう
廻りつづける星の
隙間を埋める熱が
どこから生まれるのか
繋いだ手は
教えてくれるだろうか

夜の底で
船は静かに





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 著者 : 和禾  Home : 雨渡宮  図案 : maybe