あまおと、あまあし
あまおと、あまあし
夏色 2003年08月24日(日)


三角形の頂点には
溢れそうな光が瞬いている

リリ、リリ、真夏という色という色は喪われた

貴方は頑なに名を拒み
「わたくしの事はただ、セピアと」
呼ばれる事すら喜びはしない

セピア、僕のセピア、けれど語らなければ

貴方からここへ繋がるはずの
まっすぐな線分
それは蒸発してゆく夏の水のように
儚いのだろうか
辿ろうとしても
焼け付いた空には何も描かれていない

セピア、それは平面の上の一点の染み
あらかじめ喪われていたのだと
拒み続ける鋭角の頂点

「繋がらないのなら、その方が良いのです」

セピア、セピア、壊れてしまうよ

セピア、そのままでは


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 著者 : 和禾  Home : 雨渡宮  図案 : maybe