デコラのひとりごと。
TOP


2002年07月27日(土) 映画。

友達の車の助手席に乗る。
新しいCDが増えていた。ガチャガチャと物色していると、
椎名林檎の新しいアルバムを見つけた。それを聴くことにする。
赤坂けやき通りを抜け、百道へと向かった。
けやき通りの緑の下を走り抜けるのが好きだ。
木洩れ日と葉の影。涼しい風が吹く。
私たちは、ホークスタウンに映画を観にいくのだ。
外はすごく暑くてとてもよく晴れて景色がまぶしい。
「海に行きたいね」と私が言った。
「うーん。そうね」と友達が言った。

I am sam を観た。
ストーリーはもちろん感動的だった。
父娘の愛の物語。友達が隣りで号泣していた。
音楽と言葉のないなにげない場面が美しい映画だな、と私は思った。
傍で誰かが泣いてると、そちらに気をとられてしまうので
誰かと観る映画ではあまり泣かない私だけど、
サムとルーシーとサムの友人たちが靴屋でもらった風船を持って
横断歩道を渡ってゆく、というなんでもないようなところで
ナミダが出た。

映画が終わると私たちはいつものように喫煙コーナーへ行き、
いつものように映画の感想とか疑問点とか次に観たい映画のこととかを
話した。そうして煙草と残りのコーラを飲み干して、席をたつ。
帰り道は夕暮れの少し前の空気の蒼い感じ。
椎名林檎の唄うビートルズのナンバー。これってなんて歌だっけ。
「プールに行きたいね」と友達が言った。
「うーん。そうね」と私が言った。
「海に行きたいよ」と私が言った。
「うーん。そうね」と友達は言った。
渋滞の中。日はどんどん暮れて、空がオレンジ色に滲んでく。
夏が過ぎてゆくのを感じた。
やっぱり、海に行きたいなぁと思った。





decora