デコラのひとりごと。
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2002年09月26日(木) 手紙。

今日は郵便受けにいつも以上にチラシが多く、
くたびれ果てて帰宅した私は、乱雑にそれらを取り出す。
・・・ぽとり。
薄っぺらな紙キレ達に混ざっていたのであろう、独特の重みを持ったそれは
私の手からスルリとこぼれて落ちた。
足元で強い存在感を放ち続けるそのブツを、しばらく私はぼんやりと見ていた。
見覚えのある文字。クセのない優しくキレイな。懐かしい文字。
それは、大好きな友達からの手紙だった。

先日、遊びにきていたM。と彼女と私。
この3人は、それぞれ遠く離れていて、時々気まぐれに集まり、
そしてまた連絡を途絶えさせる。でもすごく大切な、不思議な3人。
共通の口座に月々3千円ずつ貯めて旅行に行こうと計画しているが、
なんせ気まぐれ人ばかりなので、お金は貯まるばかり。
もう余裕で海外に飛べる金額だ。

手紙は、2〜3年前までは定期的に来ていた。
A4の封筒に、数ヶ月分の手紙がまとめて入っていて
表には「中身が腐っていたらごめんなさい」と書いてある。
長い長い日記のような手紙。時々、好きな作家さんの詩が書いてあったり。
私はそれを、とても時間をかけて読んでいたが、
全部読み終えた後には、なぜかいつも清々しい気持ちになっていた。
悩んでいても、どこか前向きで強くて優しくて。
彼女はそんな人だった。

そういえば、私も昔はよく手紙を書いたっけ。
ポケベルからメールの時代となり、すっかり忘れ去られた文化。

久々の手紙には、こんなことが書いてあった。
先日、旅先にて便箋を買った彼女。
一緒にいた友人に、「なにに使うの?」と訊かれたそうだ。
もちろん手紙を書くのではないか。
そう答えると、すごく意外がられたらしく、
そこで彼女は気づいたそうだ。
(そうか。手紙を書く私を知ってるのは、あの二人だけなんだ)
そう思ったら、なんだか嬉しくなってまった。

それを読んで、私もまた嬉しい。
なんだか小さな秘密事を共有しているような気持ち。
そうか、彼女の素敵な手紙を知っているのは私たちだけなのか。
すごくすごく得した気分。

今度、私も新しい便箋を買って来よう。
秋らしいものがいいかも知れない。
キーボードにすっかり馴染んだこの指先で、
長い手紙が書けるかな。。。












decora