台所のすみっちょ...風子

 

 

祭りのあと。 - 2004年10月02日(土)

今、家のすぐ近くに大きなマンションが立っている。

すでに分譲は終っているのだが、改めて塀に取り付けられた看板など見ると、

都心にしては安い価格に広い平米数であることが分かり、

キャンセル待ちに登録でもしとくか・・という話になった。


そして昨日、旦那が早速販売代理店に電話をしてくれた。

「すみません△△△のキャンセル待ちに登録したいんですが」
「でも、今のところキャンセルはありませし、可能性は・・」
「資料だけでも送ってくださいよ」
「それじゃあ、お名前と御住所をお願い致します」
「○○区×××、△ー△ー△です。□□と申します」
「エッ?あの〜、でしたらモデルルームはご覧になりました?」
「いえ、見てません」
「へっ?」

電話口に出た担当者は、モデルルームを見ていないことに非常に

驚いていたそうだ。


そう、家からそのモデルルームは1分強の距離。

なのに、数ヶ月オープンしていたモデルルームに私達は一度も足を運んでいない。

その時はマンションを買うなんて頭になかったしさ〜・・とうな垂れつつ、

旦那が言う。

「どうして、見に行かなかったのかなぁ〜、何度もスケボーやりながら
 前を通ってたのに」

確かに彼はしょっちゅう通っていた。

車の駐車場がそこのすぐ隣で、彼は駐車場までは必ずスケボーで

遊びながら行くのだ。


モデルルームが開く頃に前をシャー。

モデルルームに灯りがともる頃にシャー。

中では、彼と同じような年代の男性が家族の将来を考え、

一家の大黒柱、そしてお父さんとして、

担当者と資金計算などを話しているであろうその前を、

彼はシャーシャーとスケボーで通ってばかりいただけなのである。

ある時なんかは、勢い付いて流れるように走るスケボーの上に直立不動で立ち、

「ど〜も〜僕です」という感じで、受付嬢と目が合ったこともあるそうだ。


朝に夕にスケボーでその前を通る彼の屈託ない姿を思い浮かべる時、

私は何故だか「本当にこの人と結婚して良かった」という気持ちになる。


おしまい。


...




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