台所のすみっちょ...風子

 

 

マスカラ - 2004年11月03日(水)

朝乗った電車の中でのこと。

十代後半とおぼしき女の子が、

席に座ったまま、マスカラを塗っていた。

少しでもパッチリ目に見せたかったのだろう。

辛うじて生えているまつ毛にブラシをあて、縦に横に行ったり来たりと

もの凄い念の入れようであった。


彼女の前には「座るのが当然!」といったようなおじいちゃんがしょんぼり立つ。

だが、そんなことはお構いなしだ。彼女はひたすらブラシを

動かすのだった。


塗り続けて数分後。

彼女はマスカラを化粧ポーチにしまい、ひざに置いていた

眼鏡をかけた。

すると、フレームの上の部分のカーブと、

彼女の上瞼のまつ毛のカーブとが面白いようにピッタリと一致した。

せっかく塗ったまつ毛が全然見えない。


彼女の行動に何の意味があったのだろう・・?

揺れる度によろけそうになるおじいちゃんを見ながら、

私はそう思わずにはいられなかった。


おしまい。


...




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