台所のすみっちょ...風子

 

 

背広3着 - 2004年12月25日(土)

水曜日の夜、

会社から帰り、着替えている最中の旦那から申し出があった。

なんでも、年末の休み前に背広を3着ほど、

クリーニングに出したいとのことであった。

背広一着、クリーニング代は大よそ800円。

それを3着出せば約2400円だ。

ただでさえ、家計が苦しいのに、大変な出費である。


当然いい返事はできない。

そこで敢えて聞いてみた。

「どうして?そんなに汚れてるの?」

「いや、そうじゃなくて、新年にパリっとしたスーツで会社に行きたいじゃん。
 そうすれば新しい気持ちでさ〜、仕事に向かえるだろ〜」

あれこれ家計の心配をする私をよそに、彼の顔には屈託がない。

なのでつい、

「クリーニングしたスーツを着たからって売上が上るの?
 上るなら良いよ、出しても」

と言ってしまった。


彼のその後の表情は見ていない。

言った先から、私がきびすを返したからだ。

ただ、彼がしょんぼりしていたのは想像に難くない。

何故なら、私の背中にため息交じりに彼が言った言葉。

それが

「・・鬼・・鬼がうちにいるよ・・。会社の上司より恐い鬼がここにいる・・」

だったから。


おしまい


...




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