台所のすみっちょ...風子

 

 

保健所の人 - 2005年04月25日(月)

昨日、出掛けるときのこと。

家を出、集合郵便受けの前を通り、階段を下りてアパートの外に出ようとしたら、

背後から男の人の声がした。

「ちょっとぉ〜ちょっとぉ〜、すみません」

振り向くとそこに、顔が2段腹にそっくりな

アパートの住人であろうおじいさんが一人立っていた。

彼は私を見て言うのだった。

「もしかして、保健所の方ですか?」


昨日の私の服装は黒い胸の空いたカットソーに黒いジャケット、

細身のジーンズにエナメルのヒールといった格好で、

とても、衛生に目を光らせる人間には見えないのであった。

それに、何故、このアパートで保健所なのかがまったく分からない。


当然、「ハッ?」と言うしかない。

で、その反応におじいさんも間違いに気がついたようで、

「あっ、間違えました、あなた1○○号室の□□さんですね?」と

「失敗しちゃったなぁ〜」ふうに笑ったのだが、私はかなり驚いていた。

(この人誰だっけ?)

素性を当てられているのに、まったく覚えが無いのだ。

覚えがないので、「ハイ、そうです」とだけ答えると、

「そうだ、そうだ、1○○の□□さんだぁ〜」とおじいさんは

より嬉しそうになった。

そしてさらに

「なに?弟さんのとこに遊びに来たの?今は住んでないんでしょ?」と聞く。

(だから、誰だっけ?)

そう思っていても、ここではジジババに嫌われては生きていけないので、

「あっ、今はまた住んでるんです。ご挨拶にも伺わないですみません」と

満面の笑みで謝った。


きっと、私の顔を知ってるってことは、5年前、ここに少し住んでいたときに

接触のあった人だとは思うのだが、その2段腹顔にはぜんぜん覚えが無い。

「またよろしくお願いしますぅ〜」

取りあえず、頭を下げると、おじいさんも「いえいえこちらこそ〜」とニッコリ。

その後、ゆっくりきびすを返し、余韻の笑顔を崩さず歩き出した私だが、

心の中はモヤモヤでいっぱいであった。

(で、誰なんだっけ?どうやってよろしくすればいいんだ?)と。


おしまい。


...




My追加

 

 

 

 

INDEX
past  will

Mail