たそがれまで
DiaryINDEXpastwill


2002年10月19日(土) 教えると云うこと 2




新規オープンのヘルプを何回もこなすうちに、段々と要領が掴めてきた。

始めに、相手の気持ちをグっとこちらに引き寄せることがコツだと思った。
「怖くない人」だと云う第一印象を持ってもらえばこっちのもの。

面白い話しの一つでもして、クスっと笑わせる。
その時の小さな笑顔に
「それよ、それ、その笑顔よ〜!」
自分でもオーバーだと思うくらい褒めちぎってあげちゃう。 
もうこれで笑顔はOK。
時間が経てば、だんだん笑顔が大きくなっていく。

だけど最初の頃は、これで失敗した事もある。
「怖くない人」と思われて、すっかり甘く見られてしまった。
「怖くない人」と「厳しくない人」は違う。
締めるところは締めないと、後々が大変になっていく。



仕事は最高のレベルを教える。

これは先輩の信条だった。
人間は慣れてくると、少しでも楽をしようとするから
自分のやり方、手の抜き方を考え、実行する。

そう云われれば、そうなのだ。
仕事に慣れてくると、どうやって楽に終わらせるか、省けるものは何かを考える。
たちの悪いことに、それが結構無意識だったりする。

だから、要領なんて教えなくていい。
あくまでも基本に忠実に、正確に。
なぜそうしなければならないかも、説明する。
その時は解らなくても、後で必ず必要な時がくる。

特に既存の店舗で仕事を教える時ほど、要注意だと彼女は言った。

「本当はこうだけど、みんなはこうやってるよ」
などと教えてしまうと本人は???の連続になる。
即戦力が欲しいならば、敢えて基本に忠実であるべき。

要領やコツは、その人が時間をかけて見つければいい。
なぜそうしなければならないかを聞いているから、
どこまでなら手を抜いていいか自分で考えて実行できる。


私は先輩にたくさんの事を教わった。
話してくれた事もそうだけれど、私に話すその話し方、
バイトの子に教えるその姿。
私はそれすらも見逃さなかった。


なんでも自分に置き換えてみる。
どんな事からも勉強はできる。


「教えると云うことは、自分自身が成長できること。
 もっと成長したかったら、どんな事からでも学ぶこと。」


私は先輩のようになれたのだろうか。
でももう、10年以上も前のお話し。




東風 |MAILHomePage

My追加