たそがれまで
DiaryINDEXpastwill


2003年03月02日(日) 曇ったガラス



晴天の日曜日
ダイニングテーブルに座って、ゆっくりとコーヒーを飲んでいた。

テーブルのすぐ横にある窓から外を見ていると、
近所の子供たちが、薄着で走り回っている。
それぞれの家庭のベランダからは、洗濯物や、布団が干してある。
外はもうすっかり春。

そんな気分に浸っていると、窓ガラスの汚れが気になった。
少し前から気になっていたのだが、外が汚れているのだからと
なかなか手を付けずにいたのだ。

こんなに天気も良いことだし、張り切って窓拭きでもするか。
タオルと洗剤を手に、窓を全開にして拭き始める。
脚立でもだして、外から拭かなきゃダメだよと言う夫も
脚立を取りに行ってくれた。

のだが・・・・・


取り敢えず、内側を先に拭いてみたら
汚れは外ではなく内側だった。
(いかに普段拭いてないかを暴露しているだけかしらん)
いつも外が汚れてる、と思っていたのに
実は毎日の生活の中で、少しずつ曇っていってたんだ。

内側も外側も一生懸命に拭いた。
内と外の汚れの差は歴然で、夫も呆れるばかり。




思い込みって悪である。
私は外が汚れてると思い込んでいた。

もしかしたら、日頃の生活の中にもそんな事が多いんだろう。
自分の心や目が曇っているのに、視界に映る物自体が汚れていると勘違いする。

自分は正しい。
そう思い込むことで、真実にフィルターがかかって見えているかもしれない。

自分の心も自分の目も、内側をそっと拭いてあげよう。
そしたら今まで見えていたものが、もっと違って見えるかもしれない。


曇りのなくなった窓ガラスから外を見てると、
それだけで幸せな気分になった。
幸せって、案外そんな物かもしれない。
本当はそこに存在しているのに、気がつかないだけ。



曇り一つない窓ガラスから見る風景は、もっともっと春になった。
もう一度コーヒーをいれて飲んだら、さっきよりもっと美味しかった。





東風 |MAILHomePage

My追加